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地域集客、上位でなくても勝つ方法——競合のお客様より「まだ買わない人」を見ていますか(ハーバードのブルーオーシャン事例から)

森まりあ(AI×新規自動集客® 構造設計)

30秒でわかる、この記事の要点

  • 「まだ買わない人」は、必要としていない人とは限りません。必要でも、今の商品の提供条件では利用できない人がいます
  • 競合との違いを増やす前に、購入を止めている障壁を調べる。それが、すでに市場にいるお客様の取り合いから抜け出す見方です
  • 広告を増やす前に、障壁を一つ減らして、2週間ほど小さく試してみます
ハーバードのブルーオーシャン事例から考える 競合のお客様より「まだ買わない人」を見ていますか

困っているのに、どの会社からも買っていない人

競合より安くする。広告を増やす。サービスを追加する。

集客が伸び悩むと、すでに買う気のあるお客様に、どう自社を選んでもらうかを考えがちです。

でも、困っているのに、どの会社からも買っていない人がいるとしたら。その人たちは、何を理由に購入を見送っているのでしょうか。

Harvard Business Reviewは、中国の家電メーカー・美的集団(Midea)が欧州の空調市場で取り組んだ事例を、ブルーオーシャン戦略として取り上げています。

先に結論

「まだ買わない人」は、必要としていない人とは限りません。必要でも、今の商品の提供条件では利用できない人がいます。

競合との違いを増やす前に、その障壁を調べる。この事例から経営者が学べるのは、そんな市場の見方です。

※以下は、HBR原文の公開部分、Mideaの公式説明、ブルーオーシャン戦略の公式資料に基づく分析です。有料本文全体の要約ではありません。

1.「欲しくない」と「導入できない」は違う

エアコンの話なら、暑ければ需要が増えると思いますよね。

ところが、涼しく過ごしたいと思っても、住まいの条件によっては、固定式のエアコンを取り付けにくい場合があります。

Mideaは、賃貸住宅や都市部の集合住宅、古い建物などを、従来の設置が難しい住まいとして挙げています。同社の「PortaSplit」は、室内機と室外機をつなぐ構造で、壁への穴開けや大がかりな工事を伴わずに使える製品として説明されています。(Midea公式:欧州の住宅事情とPortaSplit)

この説明から読み取れるのは、冷房への関心と、購入・設置できる条件の間に隔たりがあったということです。

必要性があっても、使い始めるまでの条件が合わなければ、お客様にはならない。

まさにこれは、リフォームや士業など、ある出来事を起点とするビジネスでも同じですね。地域のサービス業でも考えておきたい点です。

2.既存商品の「選びにくさ」を解いた

Mideaの開発者は、従来の移動式エアコンには性能や騒音への不満があり、一方、固定式には費用や設置の複雑さへのためらいがあったと説明しています。その間を埋める製品を考えたということです。(Midea公式:開発者インタビュー)

ここで注目したいのは、単に機能を増やしたという話ではないことです。

既存の選択肢には、それぞれよさがある。でも、お客様から見ると、どちらを選んでも困ることが残る。その「どちらもしっくりこない理由」に目を向けています。

この事例を経営の問いに置き換えるなら、こうなります。

お客様は競合と自社を比較しているのでしょうか。それとも、業界全体の提供方法に不便を感じ、購入そのものを見送っているのでしょうか。

後者なら、広告で自社の優位性を説明するだけでは、解決しないことがあります。買うための条件を変える必要があるからです。

3.「自社のお客様ではない人」より、もう一歩外を見る

ブルーオーシャン戦略のなかでも、私はターゲットを三つの層に分けています。

ローカルビジネスの場合、インバウンド対応でない限り、動けるエリアが決まっていますよね。私がサポートしていくとエリアは広がっていきますが、最初はそのエリアで席を取っていくのです。

まずは、あなたの市場にいる人のほかに、次のように考えます。

  1. 必要に迫られて最低限利用しているものの、離れようとしている人。税理士などロングテールで調査すると、乗り換えたいと考えている人はかなりいます。美容院・エステ・学習塾などもここに入ります
  2. 利用を検討したうえで、選ばなかった人
  3. その業界の商品やサービスを、選択肢として考えたことがない人
まだ買わない人の3つの層 現在の市場の外に、①離れようとしている人 ②選ばなかった人 ③まだ利用を考えたことがない人がいる
業種例は、地域ビジネスへの置き換え例です。図の幅は、市場規模や人数を示すものではありません

つまり、「まだ買わない人」とは、競合のお客様だけを指すわけではありません。地域の会社なら、こんな相手を考えてみます。

  • 困っているけれど、我慢して済ませている人
  • 問い合わせようとして、途中でやめた人
  • 自分で何とかしている人
  • その相談をしてよい会社だと知らなかった人

この人たちに共通する障壁が見つかれば、今まで届いていなかった需要を考える手がかりになります。

ただし、「買わない人なら全員を対象にする」ということでもありません。共通の困りごとがあり、自社が無理なく解消できる相手を探します。私の場合、その中で社長が考える「来てほしい客層」に照準を合わせます。

そして、一番簡単なのは、一度他社で痛い目にあった方、不満を持った方の誘導です。

だから、私はクライアントのサービスエリアすべての競合店舗・事務所の不満を洗い出します。宝庫です(笑)。この分析は、無料診断でお見せしています。

悪い評価が多すぎるとしたら、それは改善すればいい。AIは、3か月以内のクチコミの傾向を確認しています。老舗だから得、という話ではないのです。

4.地域の会社では、何を変えられるか

ここからは、事例を地域企業へ置き換えた私の提案です。「高いから買わない」と判断する前に、購入を止めているものを、もう少し具体的に見てみます。

業種買わない・相談しない理由の仮説小さく試せる変更案
リフォーム小さな修理だけで呼んでよいか分からない対応できる小工事と受付条件を明示する
士業何を準備すれば相談できるのか分からない初回に必要な資料と相談の流れを示す
美容室所要時間が読めず、予定に入れられないメニューごとの時間の目安を伝える
飲食店一人で入ってよい雰囲気か分からない一人利用の席や注文例を紹介する
研修・講座学んだ内容を自社で使えるか分からない自社の仕事を題材にした体験機会を設ける

これらは検証前の仮説です。説明を変えるだけで足りる場合もあれば、受付方法やサービス内容そのものを変える必要がある場合もあります。

Mideaの事例から考えたいのも、この違いです。「伝わっていない」のか、「今の提供条件では利用できない」のか。ここを取り違えると、広告を増やしても、購入を見送る理由は残ったままになります。

5.聞きたいのは、買わない人の「今の対処法」

では、何を聞けばよいのでしょうか。「どうしたら買いますか」だけでは、こちらの商品を前提にした質問になります。まずは、相手が今、その困りごとにどう対処しているかを聞いてみます。

  • 今は、どうやって済ませていますか
  • その方法で、一番面倒なのはどこですか
  • 専門の会社に頼もうと思ったことはありますか
  • そのとき、何が気になって見送りましたか
  • どんな条件なら、利用を検討しやすくなりますか

たとえば「自分でやっています」という答えでも、満足しているとは限りません。頼み方が分からない、時間が合わない、断りにくそうなど、別の理由があるかもしれません。

もちろん、本人が今の方法に満足している場合もあります。こちらが売りたいからといって、困りごとを決めつけないことも大切です。

6.広告を増やす前に、障壁を一つ減らしてみる

最初から、新しい商品を大きく開発する必要はありません。

  1. 問い合わせを見送った理由を集める
  2. 共通するものを一つ選ぶ
  3. 受付や説明、提供条件を小さく変えて、反応を見る

その際には、問い合わせ件数だけでなく、実際の利用につながったか、対応の負担や採算に無理がないかも確認します。

保存用に、次の表を一度埋めてみてください。

確認すること自社のメモ
困っているのに利用していないのは誰か
その人は今、どう対処しているか
利用を見送る共通の理由は何か
自社が取り除ける障壁は何か
まず小さく試す変更は何か

競合と比べることは必要です。でも、それだけでは、すでに市場にいるお客様の取り合いから抜け出しにくい。

このブルーオーシャン事例から持ち帰りたいのは、「なぜ自社が選ばれないのか」に加えて、「なぜ、この業界から買わないのか」まで見る視点です。

まだ買わない人の中に、今の提供方法では応えられていない困りごとはないでしょうか。次の集客を考える前に、そこを一度、確かめてみてください。

経営者向け|「まだ買わない人」を見つけるプロンプト

経営者のための実践プロンプト なぜ、この業界から買わないのか? 競合の顧客だけでなく、まだ買わない人に目を向ける

次のプロンプトに自社の情報を入れて、購入をためらう理由と、小さく試せる改善を整理してみてください。右上の「コピー」ボタンで、そのままAIに貼り付けられます。AIの設定を辛口にするか、「辛口で診断してアドバイスして」と指定するのがおすすめです。

あなたは、地域の中小企業の経営を支援する相談相手です。
自社の商品・サービスを必要としながら、まだ利用していない人について、一緒に考えてください。

【自社の情報】
・業種:
・商品・サービス:
・商圏・対応エリア:
・主な顧客:
・価格帯:
・予約や依頼の方法:
・提供できる時間、人員、予算の制約:

【分かっていること】
・問い合わせ後に見送られた理由:
・お客様からよく聞かれる質問:
・「こうだったら頼めるのに」と言われたこと:
・利用していない人が、今どう対処しているか:
※分からない項目は空欄で構いません。

次の順番で整理してください。

1.「競合を選ぶ人」と「業界の商品・サービス自体を利用しない人」を分ける
今回は、後者を中心に考えてください。
我慢している、自分で済ませている、別の方法で代用している、
相談できること自体を知らない、といった人を挙げてください。

2.購入・利用を止めている障壁を考える
価格だけでなく、時間、手間、依頼条件、分かりにくさ、
心理的な負担なども検討してください。
「必要としていない人」と「必要でも利用できない人」を混同しないでください。

3.最初に確かめる相手を一つ選ぶ
複数の人に共通しそうな困りごとがあり、
自社でも対応できそうな相手を優先してください。
選んだ理由と、本人に聞くべき質問を3つ示してください。

4.改善案を分けて提案する
・説明や案内を変えれば解消できること
・受付方法や提供条件を変える必要があること
・商品・サービス自体を変える必要があること
それぞれを区別してください。

5.小さな検証を一つ設計する
最初から大きな投資や値下げを勧めず、
2週間程度で試せる案を一つ選んでください。
対象、変更内容、必要な準備、確認する数字、
続ける・見直す判断基準を示してください。
問い合わせ件数だけでなく、利用につながったか、
対応負担や採算に無理がないかも確認してください。

【回答のルール】
・提供した事実と、あなたの仮説を分ける
・市場規模、お客様の声、成果を創作しない
・情報が足りない場合は、重要な質問を最大3つに絞る
・最後に「経営者が明日やること」を一つ示す

競合店舗の不満の洗い出しなど、自社の現在地を一緒に確認したい方は、このページ下のLINEからどうぞ。


参照元

森まりあのアイコン(AIのパソコンを使う黒ネコ)

このサイトを書いている人

森まりあAI×新規自動集客® 構造設計

地域ビジネスの集客設計に28年。営業も広告もせず、紹介と口コミだけで2,600社以上の経営者と仕組みづくりをしてきました。ホームページを作る前に決算書を見る、という順番を守っています。